今日見た映画 「ストレイトストーリー」

はっきり言って私はデヴィッドリンチが好きではない。いつも脈略のない不条理な話ばかりを撮っている監督という印象しかない。最近見た「マルホランドドライブ」や「ツインピークス」なんてその最たるものだろう。

映画において”絵”を重視する監督の代表はブライアンデパルマだが、リンチは衝撃的な場面や映像を中心に映画を組み立ていくタイプの監督ではないだろうか。つまり基本的には思いつきのネタが中心となっているので、話にまとまりがなく見終わったあとにカタルシスが得られることはない。

ところが「ストレイトストーリー」を見て驚いた。なんだ、リンチって普通の映画も撮れるんだ。オーソドックスな作りに徹しているから脚本の良さや主演の好演が真っ直ぐにこちらに伝わってくる。

今まで”変化球”や”飛び道具”を多用するようなタイプの監督は、論理的でオーソドックスな撮り方ができないからそうするのだろう思っていたが、どうやらそれは間違いだったようだ。少なくともリンチはまともな映画を撮る頭脳も技術も持っていることがわかった。

リンチ監督、見事なお手並みおみそれしました。

評価★★★★

時間:111分
製作・脚本: メアリー・スウィニー
監督: デヴィッド・リンチ
撮影: フレディ・フランシス
音楽: アンジェロ・バダラメンティ
出演: リチャード・ファーンズワース/シシー・スペイセク/ハリー・ディーン・スタントン

■ストーリー
 アルヴィンは、娘と2人暮らしの老人である。その彼のもとに兄が心臓発作で倒れたと連絡が入り、彼は時速8キロのポンコツラクターで、兄のもとへと向かう。