平戸温泉旅行初日

今日から明日まで1泊2日の温泉旅行に出かけることになった。家族水らずで旅行に出かけるのはひさしぶり。とはいえJ太郎のことを考えると長時間の移動は危険なので、今回は長崎県平戸市に観光旅行に行くことにした。

昼前には家を出たものの、あいにく曇り空と強風に見舞われていたので観光は翌日に回し、移動経路の中間地点にあたる波佐見町で、かねてより我が家の課題であった茶碗探しをすることになった。3年ほど前に相方と付き合っていた頃に買った夫婦茶碗で、値段はそれほどでもないが側面に真っ赤な柿の実が描かれているじつに見事な逸品だった。ところがその後、相方のほうが割れてしまい自分の分もそれっきり使っていなかった。

購入した店も覚えていない窯元も分からないということもあって、それこそ砂の中からコンタクトレンズを探すようなものだったが・・・。なんとこれが見つかったのだ。最初に訪れた有田陶器卸売り団地にある店をしらみ潰しに調べたところ、10軒目で柿のイラストこそ描かれていないもののそれ以外のデザインはそっくりな茶碗を発見。残念ながら目的の茶碗はそこにはなかったが、店主が窯元の場所を教えてくれたので、車で10分ほどの離れたところにある窯元「千勝」へ向かった。

さすがに窯元だから同じデザインの茶碗なんていくらでもあるだろう、そう思いつつ訪ねて見ると・・。確かに形も模様も同じ茶碗がズラリと並んでいたが、その中には大きな柿の実が描かれているものはひとつもなかった。

いったいどういう事かと店主に聞いたところ、此処で行っているのは焼き上げまでで絵付けはやっていないとのことだった。この時点で半ば諦めていたが、探している茶碗のことを詳細に説明したところ、もしかしたらここにあるかもしれない、とある店を紹介してくれた。

この窯元からさらに車で30分ほどかかりそうだったので、一瞬躊躇したが、ここまで来たらとことん付き合ってやろうと思い直し、窯元が教えてくれた販売店へ向かった。

そしてついに最終目的地である販売店へ到着。ここになければもう無理だろう。その思いを胸に店に入った瞬間・・・。そこには燦然と輝く柿の実の姿があった。同じデザインの皿、きゅうすと共に小さいサイズの茶碗も陳列されていた。

この茶碗に再び出会うまでの経緯を店主に話したところ、たいそう喜んでくれて指名買いにも関わらず半額にしていただいた。

かなり苦労したが、その分達成感も大きく、ここ数年でもっとも爽快感を味わった出来事であった。