今日見た映画 「裏側の子どもたち」

トルコ映画である。

最近の休日は俺がオフ会やらなんやらで忙しく、また相方もスキューバダイビングのスクールに通っているためなかなか二人揃って出かける機会がなかった。

今日はお互いに特に予定がなかったので、福岡市内に出向き現在開催中の「アジアフォーカス福岡映画祭」を観に行くことにした。

このアジア映画祭の期間中は福岡市内の映画館でさまざまなアジアの国の映画を上映しており、作品数・観客数ともに映画祭としては九州最大の規模を誇っている。

ただ上映しているほとんどがマイナーな作品で情報もほとんどないため、あらかじめこれと決めずに丁度その時間に上映している中から興味深いテーマ・ストーリーの作品を選んだ。

「裏側の子どもたち」はトルコのイスタンブールに住むごく普通の8歳の少年が主人公だ。普段から義父の暴力に苦しんでいた少年はある日家出することを決心する。なんとか親の目を盗んで家出に成功した少年だが、当然のことながら行くあてもなく、自然と都会のイスタンブールにたどり着いた。そこには既に多数のホームレスが生活しており、少年もその人々と一緒に暮らしてくことになる。

現在イスタンブールには約15,000人の少年がホームレスとして生活しており、大きな社会問題となっているそうだ。監督はこの問題をみんなに知ってもらいたくて映画の撮影を決心したという。

事実この映画で少年がホームレスとして生活する姿には衝撃を受ける。特にシンナー中毒の少年の姿が何度も描かれていたがあまりに痛ましくまともに見ることができなかった。しかもこれは決して誇張でない。劇中では厳しい生活のなかにも救いの感じられるシーンが幾つか挿入されていたが、監督によると取材中に実際に見たホームレスの少年の生活はもっとひどいらしい。

自分のイスタンブールに対する知識はほとんどなかったので、先進国と同じような資本主義のなれの果ての姿に驚きを禁じえない。

結局最後まで救いのないまま映画は終わってしまう。ハッピーエンドにならない映画は好きではないが、この作品のテーマの重さを考えるとそれも仕方ないだろう。そう思わせるほど説得力のある内容だった。

この映画を見終わって、前々からぼんやりと感じていた資本主義に対する疑問がいっそう強くなった。

評価
★★★☆
運動
なし。でもトータルで2時間くらいは歩いたのでそれでヨシとしよう。