困惑

家に帰ると相方が明らかにいつもと違う様子だった。完全に憔悴しきっている。いったいどうしたのかと尋ねると、今日はJ太郎が昼過ぎから、どんなにあやしてもまったく泣き止まず、ほとほと困ってしまったそうだ。また、その間ずっと抱っこしていたので持病の腰痛が悪化してしまったらしい。精神面と肉体面のダブルパンチで相当参っていた。

ただそれよりも、何をしても泣き止まないJ太郎を睨みつけてしまったことに対する自己嫌悪のほうが大きい、とのことだった。まあ親とはいえ人間なのだから、自分の子供に腹の立つことだってあるだろう。でも日ごろはその何十倍もやさしくしているのだから、そこまで自己嫌悪する必要はない。日中は仕事で育児はまかせっきりの身としては、そう慰めるしかなかった。

相方も散々言いたいことを言ったら気が晴れたようで、2時間ほど話をしたあとはすっかり明るい表情を取り戻していた。ただ腰痛は残っているようだったので、残った家事は自分が引き受けて、近所のマッサージ店に行かせた。