鳥肌実を見た

金曜日に西鉄ホールで上演された鳥肌実の公演を見てきた。これまで鳥肌の芸は見たことがなかったけど、昔よく聞いていたラジオに何度かゲストで出演していたので、大体の芸風は理解しているつもりだった。一言で表すなら「右翼芸」。北朝鮮創価学会の悪口ばかり言っているので、まずテレビではお目にかかることはない。こういう芸風はきらいじゃないのでツツミさんからお誘いがあったときは二言返事でOKした。

今回の公演は3日間に渡って行われたが、自分がチケットを申し込んだときには既に土曜と日曜のチケットは完売。今日の公演でも開場時には当日券は完売していた。いったいどういう層に人気があるのだろう。不思議に思いながら席に着き、まわりを見渡してみると半分以上が女性客でしかも20代の若い女性が多かった。彼女達は何を求めてこんな(失礼)芸人を見に来ているのだろう。謎だ。

とまあ前置きが長くなってしまったが、それには理由がある。はっきり言えば今回の公演に対する感想は「つまらなかった」の一言に尽きる。ネタの出来不出来はあるだろうし、体調が明らかに悪そうだったので可哀想な部分はあるが、そこを差し引いたとしても酷かったしか言いようがない。

最初の10分間はネタ中心でかなり笑わせてもらったけど、そこから1時間以上、福田や小泉、小沢を題材にしたフリートーク(演説)はさっぱり面白くなかった。というか話を聞いていると、客を笑わせたいのか右翼チックに真面目に現状を憂いているのか段々分からなくなってきた。時事批評としては底が浅いし、かといってお笑いにもなっていない。学会批判にしても幅がないので途中から飽きてきた。

第2部の歌謡ショーはさらに酷かった。鳥肌実がただヘタな歌を歌っているだけ。一部歌詞を変えているようだったが、ほとんど聞き取れないので笑うに笑えない。ほんのわずか聞き取れたが、大したネタではなかった。13年前に大川興行の公演で聞いた北朝鮮替え歌メドレーのほうが100倍質が高かったし、面白かった。

過剰に期待していたこちらが悪いのかもしれないが、失望の感は禁じえない。公演を見る前は、もっと過激でもっと笑える芸人だと考えていたんだけど。何度も言うけどこういう芸風は嫌いじゃないので応援したいけど、今回の公演を見た限りでは単なるキャラクター芸人以上の評価はできないな。